12月2日から新潟市議会定例会が開会となり、今年2度目となる一般質問の機会をえて、
市長並びに教育長へ質問を行いました。
「がん患者支援」と、「不登校児童生徒への支援」についての2項目ですが、
そのうち、がんについて質問答弁要旨について1部抜粋し報告致します。
1、がん患者が尊厳を持ち安心して暮らせる社会の構築のために
私は今回、がん治療に苦しんでいる方達の力になれればと、外見の変化に対するケアや精神面からのサポートを行っている美容師の方達、そしてご自身もがんサバイバーであり、自らの体験に基づいて、他のがん患者の方達の相談相手となり、病気についての理解を広げるため、地域での活動をしている方、問題の解決等の支援に取り組む、ピアサポーターの活動を行っている方、そして治療の副作用と付き合いながら働く方のお話を伺いました。
皆さんとお話させていただき、がんの症状、感じ方は人それぞれ違うことが分かり、がんが身近な病気となった今、治療を続けながら社会生活を続けていくため、「がんとの共生」「治療と仕事の両立」「生活の質の向上」が重要となり、そこの支援に力を入れていくべきだと強く感じました。
国立がん研究センターによる最新のがん登録データーによると、2017年に新たに診断されたがんは約97万例。生涯のうちにがんになるリスクは男性で約63%、女性で約48%。男女とも約2人に1人はがんになる傾向にありますが、医療の進歩に伴い生存率も上がってきています。
治療しながら社会生活を続けていくため、その人がその人らしく生きるため、就労を含めた社会的問題や、がん教育、思春期や弱年成人の世代の問題に、また必要となる支援の一つとして医療用ウィッグの助成について伺います。
問い:AYA世代(Adolescent and Young Adult思春期から若年成人)への支援について
この世代の特徴は、進学や就職、結婚、出産といった人生の転機を迎える世代であり、この世代でがんになった場合、将来への不安ははかり知れない。
また、例えば終末期のがん患者の方が自宅療養を望んだ場合、介助などが必要になったとしても、39 歳以下の若年患者は介護保険が利用できず、AYA世代の中には、子育てと治療の両立に大変な思いをされている方もいます。若いがん患者への支援についてどう考えるか。
答弁要旨:年齢やライフステージによって、就学、就職、生殖機能などの状況が異なることから、個々の患者の状況に応じた多様なニーズに応じた情報提供、支援体制の整備が必要。国や県における検討結果を注視。
問い:アピアランスケア支援の必要性について
アピアランスケアとは、外見のサポート等を通じてがん患者の生活の質の向上に向けた取り組みのこと。例えば医療用ウィッグ等を使って抗がん剤治療などで髪が抜けたるなど外見の変化に対して、医療用ウィッグを使って、精神面からのサポートを通じて生活の質の向上につなげることなどがあげられる。
国の「第3期がん対策推進基本計画」で「がん患者等の就労を含めた社会的な問題(サバイバーシップ支援)」の中で「がん治療に伴う外見(アピアランス)の変化(爪、皮膚障害、脱毛等)」について触れられている。
抗がん剤治療を行った場合、副作用で髪の毛が抜ける場合もあり、髪の毛が抜けることの精神的なダメージは非常に大きく、その事が原因で社会へ出ることを避けるようになってしまった方もいるため、がん患者が自分らしく安心して暮らせるための支援の必要性は。
答弁:がん治療の影響により外見が変化する事は、人に会うことが苦痛に思えるなど社会的生活が困難となる場合が少なくないため、自分らしく生きられるように苦痛を軽減し、生活の質を向上させることは重要と考える。今後も市としてどういった事が出来るのか今後研究していきたい。
問い:たとえば自分が髪が抜けた場合を考えると、女性にとって髪は命というように、副作用で抜け落ちてしまうことは、自分が自分ではなくなってしまうと思える程のショックだと思います。アピアランスとは見た目を整えるだけではなく、「その人がその人らしく生きるために必要なこと」だと考える。
アピアランスケアへの取り組みの1つとして医療用ウィッグ、補正具の購入費助成等が必要だと考えるがいかがか。
答弁:がん患者の支援については、身体的、精神的、経済的負担や社会生活上の不安を和らげ、安心して暮らし続けられるよう、医療用ウィッグや補正具の購入費助成を含め、他都市の事例や国の動向を注視しながら研究していく。
問い:ウィッグや補正具の助成について他都市の取り組みを調べたところ、市独自の取り組みを行っている自治体もいくつかありました。例えば人口約250万人の名古屋市では、購入費用3割で上限3万円の補助を、500人の利用を見込んだところ実際には776件の申請があり、人口約37万人の高崎市では購入費用3万円の補助で、100人を見込んだところ184件の申請となり、予想を上回る申請だったとのことでした。
それだけがん患者の方達からニーズがあるということだと推察されます。そういった点もふまえ助成制度が必要ではないか。
答弁:医療用ウィッグに高い需要があることが分かりました。他都市の事例を注視しながら研究していきます。
●一般質問の様子は新潟市議会インターネット録画中継でご覧いただけます。
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