農業活性化調査特別委員会の視察で1日目は、群馬県昭和村にある、役場が運営をおこなっている道の駅「あぐりーむ昭和」を視察。住民が農家の割合が非常に高いことから、後継者の問題や農作物の販路についてお聞きしました。
昭和村の人口は約6,900人。その内の1,244人が農業従事者で、45歳以下の割合が高く、親元就農者も多い。耕作放棄地もほとんどないという。これらのことは、首都圏のスーパーが販路となっているため、農業が基幹産業としてしかり成り立っているということでした。
2日目は、山梨県北杜市に本社のある農業法人(株)サラダボウルグループのアグリサイトにて、これからの農業と農村地域づくりについてなど、代表の田中進さんからお話しをお聞きしました。
(株)サラダボールは、「農業の新しいカタチを創りたい」という強い思いから、金融機関で働いていた田中代表が脱サラをして2004年に設立しました。
日本最大級規模の栽培面積で、最先端の設備と先進技術を駆使し次世代型農業経営に取り組み、国内10ヶ所で農場運営をおこなっています。グループ全体の売上高は約30億円。事業内容としては、国内最大級のグリーンハウスでトマトやレタスを中心に、農園の栽培管理・労務管理・出荷管理をおこなっています。ほぼ全ての農場で通年生産&供給を実現していて、高品質・4定(定時・定量・定質・定価格)を実践しているということでした。
日本最大級規模の農園経営に至るまで、最初は耕作放棄地であった場所を0.5ヘクタール借り受け、日々草刈りをしながら土地を再生させ、野菜を育てていたこと、その姿にさらに土地が集まり、出荷先からも、もっと出荷量を増やしてほしいとなり成長してきたことをお聞きしました。
田中代表が目指していることは、農業を通して人を幸せにし、地域を豊にして、価値ある地域を創ること。売上高よりも人材育成を重要とし「人を育てる人」を育てる。そういったことに力を入れ企業経営をされていました。
本市でも深刻な課題となっている担い手不足の問題について、農業への辛い厳しいイメージをもっていましたが、ICT技術を用いて効果的な農業経営をおこなう姿は、まるで為替トレーダーのような雰囲気でかっこいい。通年生産をおこなうことで安定した収入がえられる。そのため新卒の応募も非常に多く、選ばれる企業となっている。そして、天候に左右されず安定供給を行なうことは、消費者にとっても必要なことです。
この視察を通して、これまでの農業に対するイメージが変わりましたが、法人化し、大規模経営だからこそ実現できる環境であることも感じました。しかし、これからの持続可能な農業経営の姿はこういった運営手法と、小規模農家で作る農作物にはその分高付加価値を付け、販路を確立させることが必要となることを感じました。
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