学校以外の居場所
- 高橋さとこ
- 2024年5月18日
- 読了時間: 2分
不登校コミュニティとして居場所づくりに挑戦する、17歳の少年が運営をおこなう「自宅待機ぐみ!!!」を訪問。
参加者は、ボードゲームやカードゲームをボランティアの大学生たちと楽しみ、友人宅へ遊びに来たかのような雰囲気。保護者の方たちはそれを離れて見守りながら、時折、互いに相談する姿も見られました。

「自宅待機ぐみ!!!」は2022年に自身も不登校中であった高校3年生の少年が、不当校中に子どもたち同士で語り合える居場所があったらいいなと思ったことを、スクールカウンセラーや、ボランティアの大学生、親の協力も得ながら形にして立ち上げ、現在2代目へと運営を引き継いだということでした。毎月1回開催されています。
学校には入れない。しかし人と関わる機会をつくりたい。そんな気持ちに応えるためには、学校以外での居場所、繋がりをつくるため環境整備に努めなくてはなりません。
参加していた保護者の方からは、学校に行くことが出来ない状況の中で、自宅から出ると、近所の人からかけられる言葉や同級生の視線がつらく、家から出られなくなった経緯や、家に一人でいることで気持ちがどんどん沈み無気力となっていったことなど、さまざまな様子をお聞きしました。
また、中学3年間は学校には行けなかったけど、高校へ進学のタイミングで定時制や通信制であれば、多様な人が集まり、自分のペースで学べるなど環境が変われば学校に行くことが出来た話もお聞きし、以前視察をおこなった「世田谷区立桜丘中学校」が思い浮かびました。桜丘中学校は、学校が楽しくない条件を改善していくことで、校則がなくなり、服装も自由、学校でのルールを生徒たちで決め自分で考え行動しています。ストレスから解放された学校生活の中では、多様な他者を受入れ、いじめが激減し校内暴力が消えたということでした。自由な校風の実現には校長先生の相当な熱意が必要ですが、生徒たち一人一人の意思を尊重することが重要で、ストレスから開放してあげることで変化が起きると感じます。

小・中学校の不登校児童生徒の数は年々増え続け、本市においては、令和4年度が1,967人(令和2年度が1,207人、令和3年度が1,501人)です。その為、さまざまな対策がおこなわれていますが、不登校となった子も、保護者の方も不登校のまま引きこもりになりたくない。ならないでほしいという切実な思いを抱えています。学校内外での居場所の設置、インクルーシブ教育への取り組みなど、引き続き市へ提言をおこなって参ります。
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